施餓鬼会は、一般に5月から8月にかけ行われる法要です。正光寺では毎月17日を特別な日としており、毎年7月17日に施餓鬼会を開いております。
餓鬼とは餓鬼道にいる衆生のことで、仏教の六道世界(あらゆる命は生前の行いにより6種類の世界に生まれ変わりを繰り返す)の一つが餓鬼道です。欲張りなことばかりをして周りを顧みずに一生を終えると餓鬼道に生まれ変わってしまいます。
ある日、お釈迦さまの弟子である目連尊者が神通力で亡き母を探していると、餓鬼の世界に堕ちている姿を見つけました。母親というのは、子供のために罪をも恐れずに行動することがあります。子どものためという思いが強すぎるあまり、目連尊者の母は餓鬼道へ堕ちてしまったのです。
目連尊者が、母親を救う方法はないかとお釈迦さまに相談したところ、お釈迦様は「修行を終えた修行僧に振舞いをして供養しなさい。その功徳によってあなたの母親は天に生まれ変わることができるでしょう」とおっしゃいました。目連尊者はお釈迦様の言われたとおり修行僧に供養をすると、目連尊者の母親は天に生まれ変わることができたのです。
この逸話が現在の施餓鬼会のもとになっています。このように施餓鬼会は餓鬼道で苦しむ衆生に対して食事の施しをする法会ですが、正光寺では念仏をお称えすることで餓鬼に供養し、その功徳をもって先祖供養とするのです。
コロナ禍以降、はじめてお檀家様をお招きしての施餓鬼会になります。本来であれば、仏様にお食事をお召し上がり頂く半斎供養 (はんさいくよう)に 続いて私たちもお食事を頂戴するところですが、世相を鑑み法話と法要のみになります。
なお、今回法話をしてくださいますのは、二ツ木山常行院住職郡嶋昭示上人です。みなさまお誘い合わせの上、どうぞご参集下さいませ。