人形供養の目的
昔から人形には魂が宿ると言われています。本当に宿るかどうか、私には分かりません。しかし、もし人形に魂が宿るのであれば、それは「人形の」魂ではなく、それを大切にしている人の心(魂)が宿るのだと思います。
人形には楽しい時もつらい時も人形と遊んだ子供の頃の心(魂)が宿っているのです。大人になって実家に置かれたままになっていた人形は、その人に当時のたくさんの思い出や感情を思い起こさせてくれます。人形を拠り所のひとつとして大人になった今、人形は役目を終えて供養されていきます。人形供養は、「人形」を供養しているのではありません。人形に宿った自分自身の心を供養しているのです。つまりそれは人形供養を通じて自身を内省し、これからの人生を穏やかで幸せにするための決意表明なのです。多くの人はそれを無意識のうちに感謝といった類の言葉で表現しながら決意表明をしています。
このような大切な行為を私たちは無意識のうちに済ませてしまってはあまりにもったいないのです。人形に宿った自分自身の心としっかりと向き合って忘れていた大切な事を再確認するための内省し、これからの人生の糧としていく試みが、穏やかで豊かな未来を切り開く力となるのです。
内省の繰り返しによって一生懸命生き抜いた人生の最期に敬愛する先人たちがいる極楽浄土へお迎え頂けることの、なんと浪漫のあることでしょう。だからこそ、念仏を称えるのです。
人形供養では、内省をして自身と向き合い、一生懸命生きていく決意、そして最期は極楽浄土にお迎え頂けるように願いを込めて念仏をお称えいたします。
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